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節分になると
豆まきを楽しむ方が多いですよね。
でも、どうして豆まきをするのか?
ご存知の方は意外と少ないのではないでしょうか。
豆まきの意味や由来がわかると、
伝統的なしきたりがより味わい深くなります。
2018年の恵方巻きの方角はこちら
>節分の恵方巻き。2018年の方角と正しい食べ方で運を掴む!
豆まきの正しいやり方を合わせて、
節分や豆まきについて、丁寧にわかりやすく解説していきます。
節分の意味
節分とは文字通り季節の分かれ目を意味している言葉です。
もともとは、
「立春・立夏・立秋・立冬の前日」
を表し、年に4回ありました。
中でも新しい1年の始まりである立春は
特に重要視され、室町時代頃に、節分と言えば
立春の前日と認識されるようになったのです。
節分は、新暦で2月3日頃が多いですが、
時々日にちがズレることを不思議に思っている方もいるでしょう。
節分のことを深く理解する為に、
新暦と旧暦について学んでおくとわかりやすいです。
現在の暦は、グレゴリオ暦という
太陽暦が使用されています。
世界基準の標準的な暦で、
1年は365日で分かれ、
4年に1度調整の為に閏年が訪れるものです。
しかし、明治5年までは、日本の国暦は
太陰太陽暦という月の満ち欠けと太陽の運行を
もとにした暦が使われていました。
新暦と区別するために、
太陰太陽暦は旧暦と呼ばれています。
明治5年まで、日本人は旧暦をもとに
生活していたので、伝統的な年中行事は
旧暦によって行われることが多いのです。
例えば年賀状に「迎春」「新春」などと書きますよね。
1月1日と言えば真冬のど真ん中。
どうして「春」と書くのか?
当たり前のように使っていますが、
よく考えると、ちょっと不思議じゃないですか?
新暦の春なら3・4・5月ですが、
旧暦の春は1・2・3月を指します。
その為、年賀状に「新春」などと使われているのです。
新暦と旧暦は1~2ヶ月くらいズレることを
頭に入れておくと、理解しやすいでしょう。
実は節分(2月3日頃)も、かつては大晦日にあたりました。
その為、奈良時代の頃に古代中国から
伝わった大晦日の行事が脈々と受け継がれ、
新しい年を迎える為に、邪気や疫病を払う重要な行事が行われていたのです。
昔から日本人が大事にしていた日と言えます。
現在は新暦が一般的ですが、日本の
気候風土に合わせ、生活文化に密着して生まれた旧暦の行事。
それらを行うことは、古代からの知恵を
活かすことにもつながるので大切にしたいものです。
豆まきは何のためにする?
季節の分かれ目には、邪気が入りやすいと言われています。
特に、新しい年の分かれ目は
注意が必要と考えられ、古来より邪気祓い行事が行われてきました。
節分の豆まきの起源は、古代中国にまで遡ります。
古代中国では、「追儺(ついな)」と呼ばれる
邪気祓いの行事が大晦日に行われていました。
追儺は、弓矢を桃の木で作り、
その弓矢を射って鬼を追い払うという行事です。
奈良時代には、大晦日の行事が伝来し宮中行事になります。
平安時代の頃には、方相氏という
鬼を払う役目を担う役人に先導される形で、
桃の弓と葦の矢を使い魔物を追い払っていました。
それがやがて日本独自の形へと変化していきます。
昔から日本人は、穀物や果実には
「邪気を払う霊力」があると考えきました。
その為、豆を蒔くことでより広範囲に
豆の霊力を使い、邪気を払うように変わったのです。
豆まきは室町時代以降に始まり、
江戸時代に庶民にまで伝達したと言われています。
江戸時代の頃は、数多くの神社で
節分会や追儺式が積極的に行われていました。
節分と追儺は本来別々のものでしたが、
江戸時代に一つにまとまります。
かの江戸城においても、将軍の休息所で
年男の老中が豆をまきをしたほどです。
豆まきの行事は、広く日本国民全体に親しまれるようになりました。
ちなみに、
日本人は当たり前に行っている豆まきですが、
他に節分を祝う習慣がある国はありません。
中国や韓国では、
節分の次の日である立春は祝いますが、
豆まきをすることはありません。
では、なぜ鬼を追い払うのか?
というと、
鬼が邪気の象徴とされているからです。
昔は病気や飢饉など、
悪いことは鬼の仕業と考えられていました。
新しい年の大事な節目に
鬼を払うことで、福を呼び込むのです。
ちなみに、どうして鬼が
ツノを生やして虎のパンツを履いているか?
というと、陰陽道において鬼門にあたる北東、
すなわち丑寅(うしとら)の方角が
鬼が出入りする方角を考えられていたことに由来します。
鬼門からやってくるので、
牛のツノと虎の皮を身に着けているのです。
また、節分には豆まきの他にも、
柊の枝に焼いた鰯の頭を刺し門戸に飾る風習があります。
これは柊鰯と呼ばれるものです。
鰯のニオイで鬼をおびき寄せ、
柊の葉の枝で刺し邪気をはらうという役目を担っています。
近年では住環境の変化によって、
玄関に取り付ける家庭は減りましたが、
家の中に飾る人もいるようです。
また、節分に恵方巻きを食べる人も増えました。
1本の太巻きは鬼のこん棒に例えられ、
食べきることで厄を払うという意味が込められています。
恵方巻きについてはこちらで詳しく紹介しています。
>節分の恵方巻き。2018年の方角と正しい食べ方で運を掴む!
時代とともに、節分の習わしに変化は生じても、
日本人がこの日を大切にしていることに変わりありません。
日本独自の風習と考えると、趣深いものがありますね。
豆って、なに豆なの?
現在の節分では、大豆を用いる場合が多いです。もともと古代中国の儀式では、小豆や五穀が使われてました。
それが日本に伝来してからは
米や麦、粟や炭などが使われていました。
大豆を使うようになった理由に関しては
様々な言い伝えがあります。
五穀の一つで、神事などにも使われる
穀霊が宿ると考えられていて、粒も大きく
悪霊を払うのに最適であること。
魔滅(まめ)=魔を滅する
という意味が込められているからなどの言い伝えが有名です。
その昔、京都の鞍馬山に鬼が出た際に、
毘沙門天のお告げによって、
鬼の目に大豆を投げつけ、退治したという伝説も残っています。
大豆は五穀の中でも手頃で、
神聖でありながら人々に身近なものでした。
そのため、厄落としや病除けのまじないにも
大豆が使われていたようです。
基本的に日本の風習で使う食べ物は、
健康によいものが多い傾向にあります。
大豆にはビタミンやイソフラボンが
たっぷり含まれていることは、現代でも有名な話でしょう。
昔の人は、大豆が体に良いことを
わかっていたからこそ、節分に使うことを選んだのかもしれませんね。
なお、節分に使うのは、炒った大豆です。
これには主に2つの理由があります。
1つ目は、生の豆を使うと、拾い忘れたものから
芽が出てしまうことが、縁起が悪いと考えられている。
2つ目は、「炒る」が「射る」にも通じ、
魔目を射る、すなわち「魔滅」となるからとも言われています。
伝統を考慮して、炒った大豆を使うことがポイントです。
ただし、一般的には大豆が主流ですが、
東北から北海道にかけては、殻付きの落花生を使うこともあります。
落花生を用いる風習の発祥は北海道で、
雪の中でも見つけやすく、拾った後に
食べることができるという合理的な理由から、徐々に採用する地域を広げました。
なお、落花生の産地である鹿児島や、
その隣の宮崎でも落花生を使用する場合があります。
また最近は、豆まき後の掃除が大変なことから、
小分けにされた炒った大豆を袋の状態のまま、まく家庭もあるようです。
マンションなどの場合は、拾い忘れがあると
ご近所の迷惑になってしまうこともありますから、効率が良いと言えるでしょう。
あらかじめビニールを敷いておいて、
豆まきをするという家庭もあります。
正しいやり方5つのポイント
では、豆まきの正しいやり方、5つのポイントです。なお豆まきは、地域や家庭によって
やり方に違いがありますので、
必ずしも下記の通りでなければならないというわけではありません。
参考としてみておけば大丈夫です!
1.福豆を用意する
福豆とは、炒った大豆のことです。
スーパーで売っている節分用の炒り豆でOK。
豆まきを行う夜まで、枡や三方に入れ神棚にお供えしておきます。
神棚がない場合は、南の方角に置いておきましょう。
2.豆まきは夜行う
鬼が来るのは真夜中と考えられています。
その為、夜になってから
豆まきを行うことがポイントです。
3.豆をまくのは家長
豆まきは家長または年男の役目と考えられていました。
ただし、家族全員で行う場合もあります。
イベント性もありますので、
家族全員で楽しむのも良いでしょう。
注意点としては、
まく時は手のひらを上に向け、
畑に種をまくような仕草で行います。
これは、豊作を祈願していたころの名残です。
4.順番に注意
「鬼は外、福は内」と
大きな声で唱えながら家の外や内にまきます。
まずは、「鬼は外」と唱えながら
開け放した戸から豆をまき、鬼を追い出します。
豆をまいたら、鬼が入ってこないように、
なるべくすぐに戸を閉めましょう。
次に「福は内」と唱えながら、部屋の中にまきます。
奥の部屋からはじめて、
最後に玄関にまく順番で行うとスムーズでしょう。
5.最後は豆を食べる
豆まきが終わったら、まかれた豆を
自分の年齢より1つ多く食べ、1年の無病息災を祈願します。
年齢より1つ多く食べるのは、
節分が年取りであった頃の名残になります。
食べきれない時は、福茶として飲みます。
福茶は、福豆にお茶を注ぐだけですが、
梅干し、塩昆布、豆3粒を入れた「福茶」を飲む方法も存在しています。
豆が3粒なのは、まめまめしく働ける
という意味が込められていることや、
縁起のいい吉数であることが理由です。
地域によっては
昔からの風習、名残の影響がある豆まきは地域によっては様々な違いがでてきます。
豆の数
食べる豆の数は、地方によって差があります。
・年の数だけ食べる
・満年齢より1つ多く食べる
・数え年より1つ多く食べる
・元々が数え年であるとし、新年の分を加えて2つ多く食べる
など、地域によって異なります。
掛け声
掛け声も地域や場所によって違いがあります。
有名なところですと、成田山新勝寺。
こちらの口上は「福は内、福は内」としか言いません。
これは、ご本尊である不動明王の前では、
鬼でさえ心を入れかえてしまうからという考えに基づいています。
埼玉県の鬼鎮神社では
「福は内、鬼は内、悪魔外」と言います。
これは金棒を持った鬼が奉納されているので「鬼は内」。
そして鎌倉時代の有名な武将である
畠山重忠の館の鬼門除けとして
建立したことが理由で「悪魔外」が付け加えされているのです。
また、奈良県の金峯山寺蔵王堂では、
追い出された全国の鬼を招き入れて
仏教の力で改心させることから「「福は内、鬼も内」が用いられています。
名字によって
名字に「鬼」の文字がつく家では、
鬼を追い出すことは縁起が悪いとして
「鬼は外」以外の口上を使うことが多いようです。
また、平安時代の有名の伝説で
鬼退治をしたのは平安時代の武将「渡辺綱」。
このことから、ワタナベさんは、
鬼を退治する必要がないので、
豆まきそのものをしないということもあります。
豆占い
現在では一部の地域に限られていますが、
明治期は全国的に豆占いをすることが盛んでした。
これは囲炉裏に12個の豆を並べ、
12か月に見立てて各月の天候を占う方法です。
豆の焼け具合で天気を推測します。
農民が多かったこともあり、
大事な天候のことを、節目に占っていたようです。
と、一言で「豆まき」といっても、
地域によっては様々な違いがあります。
お住いの地域にそういったものがないか、
探求してみるのも新たな発見があって面白いでしょう。
最後に
節分の由来、豆まきに関するあれこれを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
今年の豆まきに向けて、良い準備をして
思いっきり楽しみましょう!
>節分の恵方巻き。2018年の方角と正しい食べ方で運を掴む!
近年では住環境の変化などから
豆まきをしないという家庭も増えているようです。
どちらでも選択できるようになったことは、
ある意味では現代の良さかもしれません。
ですが、豆まきは古くから日本人の生活に
浸透していた古き良き行事です。
2/3、日本の多くで家庭で
豆まきの口上が聞こえてくればいいな〜
と思います。
ぜひ、日本の伝統ある豆まき、
みなさん楽しんで行ってくださいね!